仕事にやりがいがないのも困るけど、限界があると上司に言いたい!




「やりがいのある仕事。」
「夢中になれる仕事。」

魅力的な言葉に聞こえる。

 

寝る間を惜しんで
頑張りたいと思える
仕事に出会えたら
とても幸せだ。

 

 

ただ、

「やりがい神話」に
取りつかれたような
上司はやってきたら

 

部下にとっては、
とっても迷惑なことになる。

 

「やる気になったら何でもできる!」

と高いノルマをかかげ、

ガッツと根性で
「やるっきゃない!」

と燃える上司が
もたらした悲劇を
まとめました。

 

1人の上司の転勤が、職場の悲劇の始まりだった。

やりがいと精神論を押し付ける上司に疲れる部下

 

全国にお店を持つ
エステサロンのお話。

 

ある地方都市の店舗に
美樹(仮名)という女性が
お店の総責任者として
赴任することになった。

 

 

美樹は、会社の中で
とっても優秀な人だった。

美樹は今まで、
都会の店舗で働いてきた。

 

大都会の店舗は
エステティシャンどうしの
競争も激しい。

 

美樹は、その競争を勝ち抜いて
売上はいつも
トップクラスだった。

 

でも、地方都市のお店は
都会とは、少し違う。

 

 

地元出身の女性たちがほとんど。

結婚して、子供がいる人も
たくさんいました。

エステティシャンどうしの
競争だって、
そこまで激しくない。

 

ゆーっくりと空気が
流れているようなお店だ。

 

ただ、お店だけは、どーんと大きい。

 

全国の店舗の中でも
大型店舗にあたる。

スタッフの人数も多い。

 

だからこそ、本社からは
いつも

「もっと売上をあげろ!」

 

と言われている。

 

そんなお店でした。

 

そんな、ゆったりとした
地方都市のお店に
美樹が赴任してきたのは
家庭の事情だった。

 

美樹は、お店と
お店で働くみんなを見て

ビックリした。

 

「こんなにのんびりしてて、いいの?」
「もっとみんなをやる気にさせなきゃ!」

 

と思ったのです。

 

やりがいだけで変わらねえこともあるんだよ。

美樹は、決して
性格が悪いわけではない。

野心がいっぱいとか、
誰かの脚をひっぱるとか、
部下の手柄を奪うとか、

そんな悪い上司ではなかった。

 

 

ただ、今までの自分の実績には
絶対の自信を持っていたのと、

素直すぎる、
一生懸命すぎる、
真っ直ぐすぎる。

 

そんなタイプだった。

 

美樹は、田舎で働く
みんなをやる気にさせようと
いろんなことを試みた。

 

美樹
よし、今のみんなの実力なら
売上を一気に2倍に出来るよ!
美樹
やる気が全て。
気持ちがあれば、目標を達成できる
美樹
やりがいがあるね!
これからは、良くなる一方よ。

 

そんな言葉を連発しながら
改革に乗り出したのだ。

 

まず、美樹は
毎日の売上目標を
2倍以上、アップして
エステティシャンたちに与えた。

 

 

「気持ちがあれば、目標は達成できる!」

ということで、

エステティシャンと
打ち合わせをしながら

 

「絶対、一緒に達成しようね!」

と、スタッフにコミットさせた。

 

 

エステティックサロンでは、
高い売上ノルマに
悩まされる人も多い。

 

美樹の会社も同じだった。

 

とにかく、ノルマが高い。

 

ただでさえ、高いノルマが
美樹によって
グーンと高くなった。

 

ただ。。。

どんなにやる気があっても
いきなり2倍は、
無理な話である。

 

 

「やりがい神話」や
「思い願えば実現する」
という話。

当てはまらない現状だってあるわけ。

 

とっても優秀で
ずーっと売上TOPを走ってきた
美樹からすると…

 

そこまで売上の高くない
地方都市のみんなは、
仕事をさぼっているように
見えたのかもしれない。

 

でも、みんな一生懸命だし、
エステティシャンという仕事は
大好き。

 

ただ、現在は
サロンのお客様が100人程度。

 

お客様の数をコツコツ
増やさない限り、
いきなり売上は上がらない。

 

今、サロンに通ってくれている
お客様に化粧品などを
販売することは出来る。

 

でも、お客様のお財布にも
限度がある。

 

エステティックの場合、
通い始める時に
10回分をまとめて買ったり
必要な化粧品を
揃えたりしている。

 

ほとんどのお客様が
50万ちかい金額を
すでに払っている。

 

若いお客様は、貯金も少ないので
ローンを組んで
エステに通う人が
ほとんどだ。

 

 

ローンをコツコツと
返済している人が、
また新たに高額の商品を
買う事は、簡単ではない。

 

エステティシャンたちだって
そんな無理な販売、したくない。

 

残業・早出・残業の日々に疲れ果てる

毎日の売上目標は
2倍になった。

 

エステティシャンたちは
毎日、閉店後に
美樹と打ち合わせになった。

 

美樹
もっと気持ち強くもって!
美樹
絶対に達成するって、決めて仕事したの?決めてたら出来るはずよ。

 

精神論って、延々語られると
ちょっとキツイ。

まるで、自分が
ダメな人間のように
思えてくる。

 

精神論が終わったら、
「今日の反省点」に入る。

 

 

美樹
今日、〇〇さんにお化粧品、おすすめしてみた?
美樹
どうやって進めたのか教えてくれる?
美樹
そのセールストーク、ちょっと改善してみよう。

最後に待っているのは
明日の計画。

 

美樹
明日の売上目標はいくら?
美樹
予約は、何件入っているの?

 

毎日毎日、サロン閉店後に
そんな打ち合わせが
行われる。

 

精神的にもキツイけど
体力的にもキツイ。

疲れる、眠い。

 

エステティシャン達だって
すごい努力していた。

 

売上目標を
達成できなかった日、

閉店後には

化粧品のセールスをするため、

友達、親兄弟、
いろんな人に
電話までしてみた。

 

少しでも売上を
上げておかないと

また、美樹との
長いミーティングが
待っているから。

 

疲れる、そして
眠い。

 

やりがい上司の恐ろしい提案に体力が限界…。

美樹は、売上アップのため
いろんな企画にも
チャレンジした。

 

お客様向けの
スキンケアセミナーを
開催してみたり。

 

少しでも、新規のお客様を
増やそうと頑張った。

 

ただ。。。

エステティシャンたちは
サロンの営業時間は
エステの予約でいっぱい。

 

では、いつスキンケアセミナーを
行うのか…。

 

営業時間外である。

 

午前中、営業時間より前に
セミナーを開催。

午後にお店をオープン。

夜9時頃に閉店してからは
美樹のと打ち合わせ。

 

スタッフもだんだん
疲労困憊になってくる。

 

肌も荒れてくるし。

 

疲れるし、眠い。

 

そして、美樹がついに
恐ろしい提案をしてきた。

 

3日間、売上アップのための
キャンペーンを
行うというのだ。

 

3日間の間に、

・新しくエステを契約したら特典あり。
・3万円以上、化粧品お買い上げの方に特典あり。

 

そんなキャンペーンをやるから
一気に売上を上げようと
言うのだ。

 

特別企画をやるのだから、と

美樹はこれまでの3倍以上の
売上目標を
みんなに課した。

 

「やる気があれば、何でもできる!」

みんなで一丸となって
売上を上げようという企画。

 

エステティシャンたちも
頑張って企画をして、
キャンペーンのPOPを作った。

POP作りで、更に
残業になったけど
頑張った。

 

 

そして迎えた
キャンペーン初日。

 

いつもより、売上は上がったけど
美樹のかかげた目標には
届かなかった。

 

朝10時から始めて
夜10時まで続いた勤務。

 

早く家に帰って
寝たかった。

 

キャンペーンは、後2日
残っている。

 

しかし。。。美樹は
恐ろしい事を言い出した。

 

美樹
よし、残り2日間の
キャンペーンに向けて、今からみんなで、セールストークの練習をしよう!

 

 

ええええええええ~
(; ・`д・´)
今からやるんかいっ!

 

と思うけど、誰も逆らえない。

 

22時30分から勉強会は
始まった。

12時間も働いた後、
22時30分から勉強会だ。

みんな頭は動くはずがない。

 

美樹の勉強会は
延々と続く。

 

外が明るくなり始めた。
鳥のさえずりが聞こえ始めた。

チュンチュン。。。

 

夜が明け始めたのだ。

残業していたら夜が明けた

 

翌朝の5時。

ようやく勉強会は終わった。

 

そして、明日は
キャンペーンの2日目。

 

朝、10時には
出勤しなければならない。

 

 

上品な言い方をして
刑務所の方がマシかもしれない。

 

エステティシャンは
仮眠しかとれない。

 

むくんだ体で出勤。

化粧したまま寝てしまって
肌はボロボロ。

お風呂も入らず、
シャワーがやっと。

 

ある一人のエステティシャンが
顔がむくみ過ぎて

お客様に

「飴舐めてるんですか?」

と言われた。

 

眠気に襲われながら
仕事をするものもいた。

 

アトピー性皮膚炎が
悪化して
かゆさに耐えているものもいた。

 

耐えかねた部下が、ついに無断欠勤した。

エステティシャンたちの
睡眠時間を削って行われた
キャンペーンが
ようやく終了した。

 

そして・・・

ある一人のエステティシャンが
無断欠勤をした。

次の日も、その次の日も
そのエステティシャンは
出勤してこなかった。

 

 

会社に連絡があったのは
1週間後。

 

本人ではなく、
両親から電話があった。

 

「娘を辞めさせてください。」
という連絡だ。

 

両親も、見ていられなく
なったのだろう。

 

この無断欠勤事件により、
ようやく美樹の
行き過ぎた指導を
会社が問題として
取り上げた。

 

 

 

既に美樹が転勤してきてから
2年もの月日が経っていた。

 

エステティシャンはすでにボロボロ。

 

 

もっと早くに誰か1人でも
声を上げることが出来たら…。

でも声をあげられない部署がある。

 

「寝かせてもらえないなんて、
 さすがに大袈裟でしょ。」

と思うかもしれないが
これ、本当に実話。

 

間違った「やりがい神話」が
この悲劇の原因。

 

スタッフを追い込んだ
美樹自らも
睡眠を削って、
スタッフを指導したのだ。

 

 

美樹は、悪い人ではなかった。

田舎で生まれ、
仕事を通じて都会に住み、
正直で、真面目だった。

 

だからこそ、

会社で教えられた

「仕事にやりがいを!」
「思い願えば実現する」
「状況は、変えられる」
「遊びの様に楽しく仕事をしよう。」

という言葉を信じた。

 

 

美樹も被害者なのかもしれない。

 

やりがい上司は、どうなった?

ところで、美樹は
その後どうなったのか。

 

寝る暇がないほどの
長時間労働を強要したからには
それなりの処分が
あってもおかしくない。

 

しかし。。。

美樹は、
素晴らしい出世を遂げた。

 

会社の経営者から

「会社への愛情が強い。」
「目標達成への意志が強い。」

と、いつも褒められていた。

 

これが、ブラック企業が
ブラック社員を
生み出す原因なのだ。

 
この記事を読んで、
もし、
 
「私、やりがい神話に
取りつかれているかも…。」
 
と思った人は
この本を読んで欲しい。
 
ブラック企業や
ブラック上司が
タイプ別に書かれている。
 
 
我慢せずに、
退職することや
転職することも
すすめています。