あなたのエステサロン、価格設定するときに原価計算しましたか?
サロンを黒字にするなら絶対に必要な原価計算。
ですが小さなエステサロンのオーナーのほとんどが原価計算をしていないどころか、原価計算とは何かを知りません。
原価は、実はサロンの集客にも影響してくる大事なもの。
今更「原価計算って何?」「どうやってするの」と聞けないひとのための原価計算入門です。
いまさら聞けない原価計算ってなに?
小さなエステサロンを経営するのに、頭を悩ませることのひとつが「メニューの価格設定」でしょう。
メニューの価格設定、いくらにするべきか。迷う、悩む…と思考を廻らせる。
いろいと考える前に絶対するべき計算が原価計算です。
原価計算をきちんとしておけば、ある程度自動的にメニューで設定するべき価格が導き出されます。
また原価計算は、メニューに適正な価格がつけられるだけでなく、集客にも影響します。
サロンが黒字になるのに絶対必要な原価計算ですが、多くの人が原価を計算をしないんです。
それどころか
と言われます。
エステサロンに10年以上勤務しても、教えてもらえない原価計算。
今、もしあなたが「原価」「原価計算」知らなくても全然恥ずかしくないです。
私がコンサルタントを担当したオーナー様の中で、最初っから原価計算が出来た人は過去にたった2人です。
ほとんどの人は、
もしくは、知っていてもやった事がない。
あるエステ部門のある大企業のマネージャーでも
と言われていましたから。
今から勉強すれば間に合います。
そもそも原価計算ってなんなの?
原価について説明していきますね。
原価とは・・
【原価・元価】仕入れ値段。もとね。 【原価】商品をつくるのに使う一切の費用が、製品の単位当たり幾らになるかを、計算した値。「―計算」
と、あります。
原価とは、メニューにかかる材料費、広告費、人件費などのこと。
これをエステサロンにあてはめてみましょう。
例えば、60分アロマボディでどんな材料を使うのか。
紙ショーツ1枚 10円
オイル 10ml 100円
お客様に出すお茶 2杯 100円
というふうにひとつひとつ、材料費を出していくとアロマボディに使う材料費がいくらか出ますよね。
アロマボディの材料費の合計は210円。
210円がアロマボディ60分の「原価」です。
「原価」を出すことを「原価計算」といいます。
メニューにかかる材料は、全て計算する事
メニューの中で使うものは全部原価の中に含まれます。
たとえば、紙ショーツ、コットン、ガーゼ、あなたが使用する使い捨てのマスク、お出しするお茶も原価に入れてください。
アロマオイル10ml 200円
ハーブティー2杯 100円
紙ショーツ 20円
マスク 5円
コットン 2円
こんな感じで1円、5円とかそんな材料まで出てきます。
細かくても、ちゃんと計算しましょう。
アロマオイル1回分の金額の出し方も覚えておきましょう。
あなたのサロンのオイルが1,000mlで10,000円のものをお使いだったとします。
まずは、1回のアロマボディで一体、何mlのオイルを使うのか。
これは、実際にやってみて確認するしかありません。
確認した結果、20mlだったとします。
1回で使用する量が20mlであれば10,000円のオイルは1,000ml÷20mlですから50回分使えることになります。
10,000円÷50回だと1回の使用料は200円ですね。
コットンも同じです。
100枚入りで500円のものをお使いなら1枚が5円。
1回の予約で、3枚使うのならコットン代は15円です。
サロン黒字化に欠かせない!原価率を出してみよう
原価がわかったら、次に計算するのは「原価率」というものです。
原価率、すっげー大事です。めちゃめちゃ大事です。
原価率とは…メニューの価格で占める原価の割合のことです。
お客様に頂くお金のうち何%が原価として消えるのかを出します。
計算式は原価÷販売価格です。
先ほどのアロマボディで
ハーブティー2杯 100円
紙ショーツ 20円
マスク 5円
コットン 2円
合計が327円です。
60分アロマボディのお値段が6,000円なら原価÷販売価格ですから327円÷6,000円です。
327÷6000=0.0545なので60分アロマボディの原価率は、5.45%ということです。
原価率は、どのくらいが相応しいのか。
原価率は、どのくらいが正しいの?
回答から行ってしまうと私が守って欲しいのは、10%以下です。
原価率が11%を超えているものはお値段設定が安すぎ。
先ほどのアロマボディの例だと5.45%でしたから価格設定は適正です。
原価率が高くなりがちなメニューとは
原価率がグッと上がってしまいがちな危険なメニューを覚えましょう。
危険①フェイシャルメニュー
ボディメニューに比べて原価率が高くなりがちなのがフェイシャルです。
原因は、使う化粧品が多いこと。
アロマボディだと材料がアロマオイルのみ。
でも、フェイシャルではクレンジング、洗顔化粧水、保湿クリームなどたくさんの種類の材料が必要です。
私が見たサロンで一番原価率高かったものは40%のフェイシャルでした。
原価が高くなればお値段もも高くするのですが、なかなか高く出来ない人も多い。
あるオーナー様は
という理由で、フェイシャルのお値段が安く設定していました。
バランスを重視するならフェイシャルを10,000円ボディも10,000円にする方がいいです。
原価372円のアロマボディを10,000円で販売すると原価率3.72%になります。
原価率が下がる分には問題がありません。
危険②オプションのアロマオイル
ボディやフェイシャルで「アロマオイルを加えることでプラス500円」などのオプション設定。
アロマオイルはお値段お高めなので要注意!
しかも、この「オプション」取り入れられているサロンにお伺いすると…。
100%、アロマオイルが古い!
「1年前に開封したけど、オプションが売れなくて。」といって、古いものを使用していたりします。
時々しか使用しないとオイルは劣化し、酸化して使えなくなります。最悪は廃棄です。
●開封後の消費期限はどのくらいか?
●オプション使用率をどのくらいにしないと、元が取れないか?
これらを計算すると1滴500円だと、かなりの赤字になります。
アロマオイル1滴の値段を計算してみると600円を超える高いものもあります。
オプションよりアロマボディのお値段を高くしてすべての方にお使いするのが一番です。
危険③やたらと業務用の種類を増やす。
メニューの中で使う業務用を増やすのも良くないです。
1つのメニューの中で10種類使っている化粧品を5種類にするだけで原価率は下がります。
たとえば、化粧水を肌別で3種類準備するよりも全てのお肌に対応できる化粧水を1つ使う。
やたらと増やせば原価はどんどん上がります。
危険④お客様にお出しするお茶
サロンでお客様にお茶をお出ししてますか?
なかにはお菓子やデザートをお出ししているところもあります。
このお茶、お菓子も意外と原価を上げている。
何種類もハーブティーを準備してブレンドして入れるなどステキなサービスですが、ハーブティーにも消費期限があります。
気をつけたいところですね。
集客にも影響する!?その秘密とは
原価率を計算するときに大切なことがあります。
それは何段階かの価格を想定しておくことです。
まずは、定価。次に割引価格。
たとえば、原価が1,000円のフェイシャルメニュー。
原価率を10%に設定するなら価格は10,000円になります。
ただし!10,000円は定価を定価にしてはだめ。定価は13,000円とかにします。
なぜかって!?割引、ディスカウントを効果的に利用するためです。
例えばフェイシャルメニュー
●定価 13,000円
●最安値 10,000円。
原価率はキャンペーンなどの最安値に対しての原価率を出します。
割引価格で原価率10%以内を守れば、黒字をキープできます。
計算しつくされた集客のためのディスカウントなんです。
安売りが廃業の原因になるのは、なんとなく相場を予想して作った価格で売れないから、更にキャンペーンして安くするしかないとテキトーに割り引くから。
大切なので、もう一度言います。
安売りが廃業の原因になるのは、なんとなく相場を予想して作った価格で売れないから、更にキャンペーンして安くするしかないとテキトーに割り引くから。
原価を計算していたら、定価13,000円のメニューをお得意様には永久に10,000円!毎回3,000円オフ!
そんな割引が出来ます。
集客のために割引しても黒字なんですよ。
原価率10%ってぼったくりじゃない!
と話をすると必ず、
と言われることがあります。
ぼったくりじゃないですよ。
原価率10%だからといって残りの90%のお金がまるっとあなたの手元に残らない。
残った90%のお金から家賃、光熱費、交通費、あなたの人件費が支払われます。
老後の貯金だって貯めなくちゃ。
ぼったくりではなく、原価率10%以下こそ、黒字サロンに必要な数字です。
最後にもうひとつ大切な事
サロンの全てのメニューの原価を計算したらエクセルなどの表にまとめておきましょう。
そして、この原価表はオーナー様だけが見るようにして社外秘の大切な資料にしてください。
仲の良いオーナーだろうと絶対に見せてはいけません。
そのくらい秘密にして。
「原価率表」はあなたのサロンを大きく黒字に導く秘密の資料ですから。